数式の美術館

Masaki Kato

The Triangulation of Masterpiece

2022

数式の美術館とは

私が制作した数式を用いたメディアアート作品群を「数式の美術館」と呼んでいる。

「数式の美術館」は、ダ・ヴィンチに代表されるルネサンス期のように、芸術と科学の垣根がない社会を実現するために生まれた。
ガリレオ ・ガリレイは「自然という書物は数学の言葉で書かれている」と言った。芸術家が絵筆などを使って美しい自然の風景を描くように、数学者や物理学者は数字や文字を使って我々の世界を美しい数式で表現する。

「あらゆるモノを数式で表現する」を目標に、数式で表現される美しい世界の一端を味わえるような作品を制作している。
また、「数式の美術館」の名を冠したSNSアカウント(TikTok, Instagram, Twitter)で、作品を発表している。

名画を三角形で再構成して描く

真珠の耳飾りの少女(ヨハネス・フェルメール)
モナ・リザ(レオナルド・ダ・ヴィンチ)

コンセプト

この作品では古典的な絵画を数学的手法で再現することで、芸術と科学の融合を表現することを目指す。

モナリザなどの西洋絵画では黄金比などの数学的な要素が取り込まれています。そのような伝統的な絵画を現代のコンピュータプログラムを用いた数学的手法で再現することで、新たな芸術の可能性を追求しようと試みました。
元となる絵画の画像から数式を生成し、それをペンプロッターで描画することで、芸術的な完成形が生まれます。このプロセスは、芸術と科学の両方に興味を持つ人々にとって興味深いものになると考えています。

制作方法

  1. 元となる画像(今回は真珠の耳飾りの少女)を用意
真珠の耳飾りの少女(引用元:Wikipedia)

2. 画像を白黒画像に変換
画像を白黒画像に変換する工程が必要です。この工程では、元の画像から不要な情報を取り除き、よりシンプルな画像にします。

白黒に変換した真珠の耳飾りの少女

3. 数式の作成
白黒画像の濃淡と三角形の密度を対応せるように数式を生成する必要があります。
また、三角形の敷き詰め方は、有機的になるように、生物の細胞の構造を模したドロネーの三角分割の手法を用いました。独自のPythonのプログラムを用いて、数式を生成しました。

生成した数式

4. ペンプロッターによる描画
自作のプログラムを用いて、数式を元に、ペンプロッターを制御し描画します。
ペンプロッターとはロボットアームの一種で、アームの先端にペンを取り付け、機械的に絵を描く装置です。
今回はAxidraw V3というペンプロッターを使用しました。

ペンプロッター(Axidraw V3)

完成作品

真珠の耳飾りの少女(ヨハネス・フェルメール)

TikTokに投稿した動画

@sushiki_kato

キリンの模様などから着想を得た幾何学模様(ドロネー図)

♬ ツキミソウ – Novelbright
@sushiki_kato

#数式の美術館 #ドロネー図 キリンの模様などから着想を得た幾何学模様

♬ もう少しだけ – YOASOBI