Electron Flower — 電子を花で見立てる
電子を花に見立てて
目に見えない電子の存在を、バラ、コスモス、マムといった花々に見立てた作品。量子力学のシュレディンガー方程式に基づき、3DCGソフトで電子の存在確率を独自にシミュレーションし、その儚い美しさを可視化した。電子が持つ波と粒子の二重性を表現するため、点描と波形の二つの手法で制作している。
万葉集の時代から続く日本の「見立て」の美意識——枯山水が水の流れを表すように、本作は電子を花で見立てて、科学と芸術を結ぶ試みである。プロッターがゆっくりと紙に概念を描き出す様は、科学者が思考を数式として紙で計算し、画家が真白なキャンバスに絵の具を置くプロセスに似ている。自然界に繰り返し現れる螺旋やフラクタルのように、ミクロな電子の世界もまた、花のような美しい秩序を宿している。
電子軌道の量子力学
「万物は何からできているのか」——古代ギリシャのデモクリトスが問うた問いは、20世紀の量子力学によって新たな答えを得た。ラザフォードが提唱した原子模型では、電子が原子核の周りを惑星のように回っているとされたが、実際には電子は特定の軌道を描かない。電子は波と粒子の二重性を持ち、「ここに存在する」のではなく「ここに存在する確率」として分布する。
この存在確率を表す波動関数を可視化すると、球面調和関数と呼ばれる美しい幾何学的パターンが現れる。これらの形状は単なる理論上の産物ではなく、原子の化学的性質を決定し、分子の形や物質の色を生み出す本質である。
作品一覧
- Rose — 2025年 / 210×297mm / AxiDraw V3, ケント紙, サクラクレパス ピグマ003 黒
- Rose Wave — 2025年 / 394×545mm / NextDraw 2234, ケント紙, サクラクレパス ピグマ003 黒
- Rose Point — 2025年 / 394×545mm / NextDraw 2234, ケント紙, サクラクレパス ピグマ003 黒
- Cosmos — 2025年 / 210×297mm / AxiDraw V3, ケント紙, サクラクレパス ピグマ003 黒
記録







